少しご無沙汰してしまいました。毎日本当に暑いですが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。私の方は、相変わらず張り切ってCD制作を進めています。今は、大まかな音の編集が終わり、言わば「仮縫い」が出来た状態。これから細かい部分を修正したり、曲と曲との間を調整するなど、完全な形になるまでは、もうしばらくかかりそうです。
今回の編集で大変だったのは、3日間録音した大量にあるデジタルテープの中から、どのテイクを使うかを決める作業。まずは、曲とテープ番号、開始時間をチェックして一覧表にし、一曲一曲を集中的に聴いていきました。曲によっては10回以上も弾いているので、分かり易くするため、1テイクごとに楽譜に色の違うペンでメモを取り、全体の印象を点数に。自分の演奏に点をつけたのは初めてでしたが、何とも不思議な気分ですね。
その後は、最高点とそれに近い点数の録音の聴き比べ。そうすると、最初につけた点数と印象が変わることが多々あり、点数なんていい加減なものだとつくづく思いました。このようにして主に使うテイクを決めた後は、楽譜に書き込んだメモを見ながら、修正箇所と差し替えのテイクを選ぶ作業。テープを聴いては止め、巻き戻し・・・の繰り返しでしたが、これが想像以上に肩が凝り、疲れる作業でした。最後の方は、お願いだからこのままうまく弾いて!と自分の演奏に祈るような気持ちになりました(笑)。
こうして実際に使う箇所を一覧表にし、今回、録音全般をお願いしているスタジオ・リリックの編集室へ。エンジニアの加藤さんの、流行りの波形編集ではなく、1000分の1秒の精度で「耳」を使った編集に立ち会い、その職人技に感動しながら編集された音の確認作業を行いました。音はイメージどおり、私の好きなベヒシュタインらしい音が入っていました!
翌日、編集されたCDが家に届き、早速コンポに入れて聴いてみたのですが、これが自分の音楽なのだと思うと、胸にじんわりくるものがありました。普段、リサイタルのライヴ録音を簡単にCDにして残しているのですが、それを聴くのとは、全然感覚が違いますね。
今は、最後の編集の準備をしつつ、ジャケットの中の曲目解説を書いているところです。ジャケットは、写真、デザインともに、いい感じに仕上がってきています。この週末は八ヶ岳での歌のコンサート。少し自然の中でリフレッシュした後は、またCD完成に向けて頑張るつもりです!